環境質 予見分野

メンバー紹介

健全な水環境と未来に続く下水処理を目指して

助教  于 再治 (YU Zaizhi)

未来に向けて持続可能であるために、日本の下水処理場は喫緊の課題に対応するのみならず、新しい付加価値を必要としています。今起きている問題を解決しながら、新しい付加価値を引き出すため、私は下水に関する多角的な研究を進めます。
現在は下水中の「ウイルス」に着目した研究に取り組んでいます。下水中には様々なウイルスが含まれており、細菌に感染するウイルス(ファージ)もあれば、ノロウイルスのようなヒト病原性ウイルスも検出されます。現在、下水処理場では雨天時にやむをえず簡易処理が行われることがあります。気候変動にともない簡易処理が増えた場合、放流水域の感染リスクに与える影響を定量評価し、対策の提言・実装に向けた研究を行います。また、ウイルスは物質循環にも密接に関わっている可能性があり、その生態の解明は下水からの資源回収や温室効果ガス排出量の削減に活用できるのではないかと予想します。最後に、下水に含まれる病原体の監視を通じて、健康被害の予防や軽減に貢献できるのではないかと考えます。まずは、ウイルスについて基礎から応用に渡る幅広い研究を進め、下水処理場のさらなる発展に尽力します。

研究テーマ
1)簡易処理によるリスク評価及び対策の検討
2)下水疫学の新しい適用および応用性の探索
3)下水処理におけるウイルスの生態解明および応用の検討

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経 歴

2019年3月 京都大学工学部地球工学科 卒業
2021年3月 京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻修士課程 修了
2021年4月 株式会社クボタ(2025年3月まで)
2025年4月 京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻 助教

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